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迷ったとき 立ち戻る場所

22 時間前
読了時間: 5分


自分を支えているものは?


成長の過程には必ずスランプがあります。

迷ったときや、これからの方向が分からなくなったとき、あなたはどうしますか?


土台となっているルーツや経験など、いまの自分を支えてくれていることを思い出してみると良いと思います。

これまでの経験の中に、今の自分を支えてくれているものが、きっとあるはずです。

そんな自分の土台について、少し振り返ってみたいと思います。



ちなみに、私の土台はこちら。


◯ 田舎の土・植物・生き物

◯ マイノリティの逆境

◯ 描くこと・デッサン

◯ 批評とデザイン



田舎の土・植物・生き物


土や植物、生き物。

さまざまな素材に触れたり、匂いを嗅いでみたり、ときには口に含んでみたりすることは、子どもの成長にとって大切な経験のひとつです。

子供時代を過ごした私の田舎には、そうした体験ができる自然や環境がたくさんありました。


自然の中で、手触りや匂い、硬さや柔らかさの違いを感じる。

小さな経験の積み重ねは、子どもに限らず、私たちの感覚を豊かにしてくれます。



代掻きが終わった田んぼに裸足で入った時、足指の間ににゅるりと感じる、冷んやりとして少し炭のような香りのする泥の感触。


山で熟れたアケビを見つけた時の興奮と、勢いよく蔓を引っ張った後、手のひらに感じる埃っぽさ。


古墳のてっぺんに登り、低く町を見下ろした時に吹く風と、ちょっとしたロマンを感じる心地良さ。



異なるものに触れ、その違いを感じ取り、認識していくこと。

何気ない体験のひとつひとつが、この世界を理解するために、また施術者としての大切な下地になっているのだと思います。



マイノリティの逆境


少し言葉を選ぶのが難しいテーマですが、率直に書いてみます。


知的障害のある兄を通して、世の中を見てきました。

人間は、残酷であり、優しくもある。

その両方を、幼い頃から身近に感じてきたように思います。


社会の中で弱い立場に置かれたり、差別の対象になったりする人達がすぐそばにいる。

そんな環境の中で、彼らが傷つかないように、差別されないように、自分が守らなくては。

自分自身も差別を受けないように頑張らなくては。

幼いながらに、そんな思いを抱えていました。


子どもが抱えるには、随分と重たい感情でもあったと思います。

もちろん、過酷な経験だけではなく、天使ってこの世にいるんだ!と思える様な、とても素晴らしい方々との出会いもありました。


そんな経験を通して、同世代よりもどこか早く大人になったような部分がありました。

人の言葉や表情の奥にある気持ち、目には見えない心の動きなどに自然と意識が向くようになりました。


もちろん、すべてがこの経験によるものだとは思いません。

けれど、あの頃に感じていたことが、今の自分の感性を育てるひとつの根っこになっている。

私にとって、とても特別で大切な経験です。



描くこと・デッサン


描くことは、観察すること。


目の前にあるものを、ただ眺めるのではなく、よく見る。

全体を捉えたり、一部分に注目したり。カメラのレンズを操作するように、視点を自在に動かせるようになると、対象への理解も少しずつ深まっていきます。


施術もまた、人の身体に触れる仕事です。

けれど、触れることだけが理解する方法ではありません。

姿勢や動き、表情、肌の様子など、目の前にあるものを丁寧に観察することで、見えてくることもあります。


これは中医学の望診の技術に非常に役立っています。

描くために身につけた視点が、いつの間にか人を理解するための視点にもなっていました。


描けたら理解できる様になりますから、お勉強中のセラピストさんはぜひ人体をデッサンしてみてください。

美術解剖学の書籍もおすすめです。



批評とデザイン


美術大学は、自分の作品を人にプレゼンテーションして、批評を受ける場所でもあります。

作品を比較されたり、厳しい指摘を受けたり、ときには高く評価してもらえたり。


さまざまな反応に触れる中で、自分が何を大切にしたいのかを深く考えるようになります。

人からの評価に耳を傾けることと、自分の価値観を持つこと。

そんな環境で、自分なりの哲学が育っていきます。


他者の評価を受け止めながらも、自分の感覚や哲学を手放さないことは、仕事を続ける上でも欠かせないものになっています。


また、デザインを通して学んだことは、ものの考え方だけではありません。

デザインは、依頼する人の思いを受け取り、目的を整理し、さまざまな条件を考慮しながらひとつの形にしていく仕事です。

最初の構想から完成まで、全体を見渡しながら一つひとつの工程を進めていく。


そうした仕事の進め方は、セラピストとしてお客様と並走する関係性であったり、今のひとり自営業という働き方にも随分活きていると感じます。



一見すると今の仕事とは関係がないように思える経験も、繋がり合って今の自分を形づくっています。


迷ったときは、新しい何かを探すだけでなく、これまで自分の中に積み重ねてきたものを振り返ってみる。

そこに、これから進む方向を考えるための小さな手がかりが見つかるかもしれません。


卯霖堂

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